女のいない男たち

村上春樹の最新短編集「女のいない男たち」を読みました。

収録作品

１．ドライブ・マイ・カー
２．イエスタデー
３・独立器官
４・シェエラザード
５・木野
６・女のいない男たち

ハルキストな自分にとって、待望の短編集でした。

そして、期待を裏切る？面白さでした。
（展開が予測できない面白さという意味です）

「ドライブ・マイ・カー」と「イエスタデイ」は、
ビートルズの曲のタイトルですね。

「イエスタデイ」は、曲そのものが題材になっている作品です。
「イエスタデイ」を関西弁で歌う不思議な青年を描いています。

「ドライブ・マイ・カー」は、ビートルズの曲とは無関係で、
ストーリーがタイトルの内容となっています。

妻を亡くした中年俳優が、ある若い女性をドライバーで雇うことになり、
そのドライバーに妻の想い出話を語りながらストーリーが展開する、
哀愁ただよう作品です。

６篇はすべて「女のいない男」を題材にしてしますが、
女をガツガツと求める男を描いたものではありません。

交際や性交渉のある女性はいても、愛する女性がいない男という意味合いで
「女のいない男」と表現されている作品もあります。

６編の中で個人的にずば抜けて気に入ったのが、 「独立器官」です。

これは面白いです！！

独身貴族の中年男性（整形外科医）を題材にしています。
彼は女性に不自由したこのないプレイボーイで、
適度に女性と交際しては別れて、また別の女性と交際をする、
というライフスタイルでした。

ところがそんな彼が恋におちてしまう。相手は人妻。
会いたい時に会えないもどかしさがつのり、
彼がたどった運命は・・・？

この作品は、
村上春樹のストーリーテラーとしての才能を遺憾なく発揮した作品です。

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